板金工程のご紹介

ダメージの状態を確認しながら、修理方法、塗装範囲などをある程度決めておきます。

専用のツールでキズと周辺を研ぎ込んでいきます。　　
修理範囲を広げないように気をつけて施工します。

研ぎ込むことでパテをつけやすい状態にします。

バンパー専用のパテをつけていきます。
空気を入れないように丁寧につけます。

盛りすぎないように必要最小限の範囲でおさめます。

乾燥機を使用して既定の時間、乾燥させます。
このときの乾燥が不十分だと完成した後、塗膜に異変が起こることがあります。

乾燥時間を利用して塗装する車両の情報が記されたコーションプレートを探します。

この車両はボンネットを開けたところにありました。
このプレートから色番号MH656Mを読み取り塗料を配合します。

NH656Mは基準配合に加えてもう1種類、実車パーツから見直されたデータが発行されています。
（※注１）

色番号には基準となるデータがありますが、経年劣化や素材、生産場所、製造時の塗装方法の違いなどによって色が微妙に変わってきます。
それに対応するため実車カラーというものが発行されます。
年々増えていく種類もありますが、20種類発行されていても近いものがない、といった難しいケースもあります。

実際に塗装する車両とデータの見本を照らし合わせ、もっとも近いデータを選びます。

さまざまなボディカラーに対応すべく、塗料の原色は100種類以上用意しています。

コンマ01グラムの微量な配合もあるため、専用の計量機を使って配合していきます。

今回の色は5種類の色を混ぜて出来上がります。7〜8種類混ぜることもよくあります。

色を混ぜるだけではまだ不十分です。塗装室温に合わせたシンナーで希釈する必要があります。

乾燥したパテを研いでいきます。
ツールだけではなく、手で研ぐ場合もあります。

なだらかにパテを仕上げます。
塗装は非常に薄いものなのでこの時点で手を抜くと仕上がりに影響します。

下地塗装(プライマサフェーサ)を施工するためのマスキングを施します。

下地塗装(プライマサフェーサ)を配合します。

パテで修正した箇所に吹き付けていきます。
ツールを使って研ぎ込んだ跡にも吹き付けます。

できるだけ小範囲で塗り込んだ後、再び乾燥機で一定時間の乾燥を行います。
この工程も完成後に影響しますので慎重に行います。

乾燥後、下地を研ぎ整えます。上塗塗料は薄いため、この工程にも慎重さが必要です。
場合によってはサンドペーパーを持って水を使いながら水研ぎが必要なこともあります。
（※注２）

実作業では下地部分だけではなく塗装する部分はすべて足付けといって、ペーパーがけをする必要があります。
水を使わず空研ぎという方法もありますが、ワックスやコーティング剤の影響で塗装をはじくことがよくあります。
当店では多くの場合水研ぎをしています。
番手は320、500、600、800、1300、ウォッシュコンパウンドという順番に研ぎ込みをします。

研ぎ終えたら、研ぎ込みで出たホコリや水分を取り除きます。
この作業を徹底していないと、塗装中に水やホコリが出てきてしまいます。
もしそうなってしまえば1からやり直しです。

ボディ色塗装用にマスキングします。
下地の時よりだいぶ広くなっています。

もう一度脱脂をします。
脱脂剤は静電気を取除くタイプを使用しています。
塗装面に帯電しているとホコリが付きやすくなるためです。

さらに除電用のブローガン、除電クロスで表面の清掃、除電を行います。

先ほど作ったボディ色をスプレーガンに移します。
今回はボカシ塗装というバンパー半分ぐらいの塗装で仕上げるため、色とは別にボカシ剤も用意します。

ボカシ剤とボディ色を使い塗装していきます。
メタリックのムラや肌といったその部分だけ直したように見えないようにするため細かい点にも注意しながらの作業です。

最後にクリヤーで仕上げます。
吹付けるといっても塗料はもともと液体ですので塗り込みすぎるとしずくのように流れます。
控えすぎると艶が出ません。

材料指定の回数を塗り重ねます。

乾燥機を使用しての乾燥です。
自然に乾燥を待つと数日かかってしまいます。
納期内で仕上げるためには必須です。

今回は全作業を同じ場所で行いましたが、本来このスペースは塗装のみを行う塗装ブースです。

乾燥を終えマスキングを取除いたらキズが入る前と変わらないバンパーになりました。
塗装保護のコーティングを施して作業終了です。